はじめに

この動画はおっぱいをテーマにあみぐるみ造形のコツを分かりやすく解説したものです。注目を集めるためにこんなテーマを選びおって不届き者めと思われたかもしれませんが、実はおっぱいというのは目数の増減による形の変化を説明するのにとても適した題材なんです。

人前で気軽に見られない動画になったことは申し訳ありませんが、オリジナルのあみぐるみを作りたい方にとって実践的な内容となっておりますので、人目を避けてじっくりとご覧になってください。

九九を基準に考えよう(0:39~)

さて、始めにこちらをご覧ください。一番左は輪の中に8目編み入れる所からスタートして、毎段8目ずつ目数を増やしたもの、つまり掛け算の8の段で編んだものです。

左から順番に8の段、7の段、6の段、5の段、4の段となっています。膨らみ方の違いがお分かりいただけるでしょうか。8の段はぺったんこで6の段は球、4の段は尖った形、7の段、5の段はそれらの中間的な形と考えると良いでしょう。今回は6の段をベースに編んでみます。

最初の形(1:21~)

乳首、乳輪、肌と色分けして編んだものがこちらです。今回は説明で見やすくするために3色の毛糸を使いましたが、皆さんが編むときは2色でも十分でしょう。

このままだと鳥よけの目玉風船と大差ない状態なので、乳首部分を伸ばしてみます。ピンクの糸で編んだ所に2段追加してみましょう。

細部を引き立たせるテクニック - 表引き上げ編みとすじ編み

なかなか良い感じになりましたね。ここで細部を際立たせるちょっとしたテクニックを紹介します。「表引き上げ編み」と「すじ編み」です。

表引き上げ編みは細編みの足を拾う編み方で、乳首から乳輪へと移るときの角度をよりはっきりと出すために使います。

すじ編みは細編みの頭半目を拾う編み方で、編み残した半目が1本のラインとなり肌との境界がはっきりします。これらの技法を用いて編んだものがこちらです。

公倍数(2:22~)

ここから先は好みの大きさになるまで目数を増やしていきます。その後、球状にするならボールを編むときと同じ要領で編み進めればいいのですが、平たい底を別に編んで縫い付けるときには注意すべきポイントがあります。

平たい円を編む時は掛け算の8の段で編めばいいということは冒頭で紹介しました。そしてこれまで編んできたおっぱいは6の段になっています。2つのパーツを綺麗に縫い合わせるには目数が一致していないといけません。

6の段と8の段に共通する目数、つまり6と8の公倍数で縫い合わせればぴったりというわけです。

公倍数という考え方は重要なので加えて説明しておきます。

例えば、はじめは平らで続いて球の曲線になる形を編みたいとき。平らな部分は8の段で編んでいき、6との公倍数の目数まできたら6の段へと切り替えるという編み進め方をします。

別な言い方をすると、始めは毎段8目ずつ増し目していき、公倍数の段以降は6目ずつの増し目になるという具合です。

公倍数を目安に増し目の数を変えることで編み地の曲がり具合を変えられる、というわけですね。現実的にはちょうどいい数にならないこともあるので、そういうときは変則的な増し目を挟んで調整することもあります。

数字の話が続いて退屈になってきたかもしれませんが、みなさんが理想の曲線を創り出すためにもう一つ説明させてください。

増減無しの段を使った角度調整(4:05~)

編み地の曲がり具合を変えるには別の方法もあります。それは増減無しの段を混ぜる方法です。

例えばこのような6の段で編んだ半球がありますが、ここで1段おきに増減無しの段を加えてみましょう。

するとこのように角度が急になりました。

増減なしの段を減らせば角度は緩やかになり、増やせばさらに角度は急になります。増し目の数を変える方法よりも考えることが少なくていいですね。

ただし元々の形よりもさらにこちら側へ変化させることはできないので、その場合はやはり増し目の数を変える必要があります。

一つの完成形(4:50~)

では以上のことを踏まえておっぱいを改良してみましょう。これは8の段でスタートし、肌の部分からは6の段で編んだものです。

13段目までは6目ずつ増し目していき、
14~18段は増減なし、
19段20段では6目ずつ減らし目。
20段目で48目になったので
21段目からは8目ずつ減らし目して底を平らにとじました。

ちなみに綿の詰め具合によっても微妙に形が変わってきます。このように底を平らにしたいときは綿の詰めすぎに注意しましょう。

重力の影響を考える(5:29~)

ここでひとまず完成ですが、これをベースにさらに形を変えてみましょう。今回は重力の影響を考えてみます。元々の形からこのように変化させましょう。

今までは各段均等に増し目をすることで円の大きさを変えてきましたが、このような場合は編み地を広げたい場所で増し目をし、縮めたい場所では減らし目をするというように不均等な増減を行います。

具体的には15段目までは元の形の目数と同じで、

16、17、18段で上側の増し目、

19、20段で下側の減らし目をすることでこのような形になります。

さくっと言いましたがこのような不均等な増減は数字だけで考えてもどのような形ができるか予想しにくいので、実際には何度か試し編みをしながら目数を調整することになります。

まとめ(6:26~)

いかがでしたか? 目数の変化によるあみぐるみの造形がお分かりになったでしょうか。

この動画で覚えたことを使えば、例えばもっと平たい形にしたいから7の段や8の段を使ってみようとか、少し角度を付けたい部分に4の段や5の段を使ってみようといった造形が可能になります。

講座で紹介したものをベースに目数を変えて、みなさんも理想のおっぱいを編んでみてください。ご視聴ありがとうございました。